夜間シフトは電気代に効いたのか|オール電化2ヶ月検証

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夜間シフトは電気代に効いたのか|オール電化2ヶ月検証 節約

以前、オール電化・二人暮らしの電気代2年分をまとめた記事で、「食洗機・洗濯(乾燥まで)・エコキュートの湧き上げを夜間帯に寄せる」ことと、「電気代は仕組みで下げる、我慢では下げない」ことを書きました。

でも正直に言うと、この主張を自分の数字で検証したことは、実は一度もありませんでした。

きっかけは、検針票の時間帯別内訳を1行ずつ読んだ記事の最後に書いた一文です。「時間帯を意識した使い方にどれだけ効果があるのかまでは、今回は掘り下げていません」——この記事は、その宿題への回答です。2026年7月分・8月分の検針票データを使って、夜間帯へ寄せる仕組みが実際にどう動いていたのかを、あらためて確かめてみます。なお今回見るのは「電気をいつ使ったか」の配分で、金額そのものの比較ではありません。

深夜の電力比率だけ見ると、下がっていた(45.7%→40.2%)

はじめに用語の整理です。この記事でいう「7月分」は6月2日〜7月1日に使った分、「8月分」は7月2日〜8月1日に使った分を指します(検針票の呼び方に合わせています)。

そのうえで、検針票の時間帯別の行から、深夜の使用量だけを取り出します。検針票には「夏季深夜」「他季深夜」のように季節区分ごとに分かれた行がありますが、これを合算すると、7月分は他季深夜118kWh+夏季深夜4kWh=122kWh、8月分は夏季深夜のみで125kWhでした(内訳の1行ずつの確認は検針票を1行ずつ読んだ記事で行っています)。

この122kWh・125kWhを、その月の使用電力量全体(7月分267kWh・8月分311kWh)で割ると、深夜の比率は7月分122÷267=45.7%、8月分125÷311=40.2%になります。約5.5ポイントの低下です。

一見すると、「夜間帯に電気を寄せている」という主張は崩れているように見えます。この数字を隠すつもりはありません。

ただし、ここで見落としてはいけないことがあります。深夜の使用量そのものは、122kWhから125kWhへと、減ってはいません。むしろわずかに増えています。 比率が下がったのは深夜の使用が減ったからではなく、深夜以外の使用が増えて、全体の使用量そのものが267kWhから311kWhへ膨らんだからです。

数字で見ると、深夜の増加分はわずか+3kWhです。それに対して全体は+44kWh増えています。つまり、増えた44kWhのうち深夜が受け止めたのはたった3kWhだけで、残りの41kWhは深夜以外の時間帯に回った計算になります。この「残り」がどこへ行ったのかを、次の章で確かめます。

夜間まで含めて数え直すと、ほとんど動いていなかった(66.3%→64.0%)

先ほどの「残り41kWh」の行き先を確かめるため、深夜の外側、夜間と昼のぶんも合算し直します。

夜間(他季夜間+夏季夜間)を合計すると、7月分は53kWh+2kWh=55kWh、8月分は74kWh(夏季のみ)でした。+19kWhの増加です。昼側(夏季ピーク+夏季その他+他季その他の合計)は、7月分90kWh、8月分112kWhで、+22kWhの増加でした。

深夜の+3kWh、夜間の+19kWh、昼の+22kWhを合わせると+44kWh。267kWh→311kWhの増加分とぴったり一致します。

ここで、深夜と夜間をまとめて「夜間帯」として数え直してみます。深夜+夜間の合計は、7月分122kWh+55kWh=177kWh、8月分125kWh+74kWh=199kWhです。これを使用量全体で割ると、比率は7月分177÷267=66.3%、8月分199÷311=64.0%。差はわずか2.3ポイントでした。

深夜だけを見たときの5.5ポイントの低下に比べると、夜間まで含めた比率の低下幅はずっと小さくなります。増えたぶんの受け皿が深夜ではなく夜間や昼に回った、ということではあるのですが、夜間まで含めた帯全体で見れば、比率としては大きく崩れていない——という見方ができそうです。

昼側の比率も、7月分90÷267=33.7%、8月分112÷311=36.0%と、こちらもほぼ動いていません。

時間帯ごとの買電量。深夜122→125kWh、夜間55→74kWh、昼90→112kWh
深夜・夜間・昼にまとめ直した買電量。7月分と8月分の比較です
深夜だけの比率は45.7%から40.2%、夜間+深夜の比率は66.3%から64.0%
どこまでを数えるかで、結果の見え方が変わります

なぜ深夜の「比率」が下がり、夜間が増えたように見えるのか(断定はしません)

なぜ深夜の比率だけが下がるような動きになったのか、はっきりとは分かりません。ここでは考えられる要因を挙げるにとどめ、断定はしません。

ひとつは、料金区分そのものが月替わりで総入れ替えしていることです。7月分は使用期間30日のうち夏季区分がわずか1日、残り29日はその他季でした。ところが8月分は31日すべてが夏季区分に切り替わっています。ただし7月分の検針票には「他季深夜」と「夏季深夜」の両方の行があるので、深夜という時間帯の区切り自体は季節が変わっても同じで、変わるのは単価だけ、という可能性もあります。どちらなのかは、検針票の記載だけでは読み取れませんでした。

もうひとつは、単純に生活パターンが変わった可能性です。エアコンの稼働が増える時期でもあり、在宅している時間帯の電気の使い方が変わったのかもしれません。

なお、1日あたりに直すと、7月分は267÷30=8.9kWh/日、8月分は311÷31=10.0kWh/日です。7月分は30日・8月分は31日と日数も違い、季節区分も総入れ替えしているため、この2ヶ月分は条件をそろえた比較にはなっていません。行動が変わったのか、それとも料金の区分に関わる条件が変わっただけなのか、この2ヶ月分だけでは切り分けられませんでした。

「夜間」という言葉、実は2つの意味で使われている

もうひとつ、数字を並べていて気づいたことがあります。以前、昼間・夜間の2区分で試算した記事では、時間帯を「昼間」「夜間」の2区分だけで見た数字を紹介しました。実際の使用期間が2026年6月2日〜7月1日の分(=今回の記事でいう7月分)では、昼間145kWh・夜間122kWhとなっています。

この「夜間122kWh」という数字、実は今回の記事で見てきた「深夜」の合計(他季深夜118kWh+夏季深夜4kWh=122kWh)と、ぴったり一致します。

ついでに昼側も確かめてみると、2区分の「昼間145kWh」は、今回の3区分でいう昼90kWhと夜間55kWhを足した数(90+55=145)と一致しました。つまり2区分の「昼間」には、4区分でいう「夜間」が含まれている——という関係に見えます。ここも、一致した、というところまでです。

同じ期間・同じ122kWhという数字が、片方の記事では「夜間」、もう片方の集計では「深夜」と呼ばれていたわけです。これが同じ区分を指しているのか、それとも偶然の一致なのかまでは確認できていません。もしかすると、「夜間」という言葉が、検針票でいう「深夜」の区分だけを指して使われていた、ということなのかもしれません。この点は、一致した、という事実までしかお伝えできません。

なお、その記事で並べていたのは6月分と7月分、今回並べているのは7月分と8月分です。同じ122kWhという数字が出てきますが、比べている相手の月が違う点だけ、あらかじめお断りしておきます。

「仕組みで下げる」は効いていたのか、この2ヶ月分では判定しきれない

ここまでの発見を整理します。深夜の比率だけを見ると45.7%→40.2%と下がっている一方、深夜の使用量そのものは122kWh→125kWhで減っていません。夜間まで含めた比率で見ると66.3%→64.0%とほぼ動いていません。ただし、7月分と8月分では日数も季節区分も違っており、条件をそろえた比較にはなっていません。

これらを踏まえると、食洗機・洗濯・エコキュートの湧き上げを夜間帯に寄せるという仕組みが、この2ヶ月の間も維持できていたのか、それとも崩れていたのか、正直に言うと判定しきれません。

夜間まで含めた比率がほぼ横ばいだったことは、仕組みが大きく崩れていない材料のひとつです。一方で、増えた44kWhのうち深夜が受け止めたのはわずか3kWhで、大半は夜間・昼に流れており、「増えたぶんを深夜で受け止めきれなかった」という見方も同時に成り立ちます。どちらの読み方も可能で、この2ヶ月分だけでは判断しきれない、というのが正直なところです。

次に見るべきは、9月請求(8月使用分=夏のピーク月)です。エアコン稼働がもっとも増える時期の実データが揃えば、今回よりも条件の近い比較ができるはずです。

まとめ|過去の主張を検証してわかったこと

冒頭で引用した「食洗機・洗濯(乾燥まで)・エコキュートの湧き上げを夜間帯に寄せる」「電気代は仕組みで下げる、我慢では下げない」という主張は、この2ヶ月分の数字だけでは、正しかったとも間違っていたとも言えませんでした。分かったのは、思っていたよりも単純ではなかったということです。深夜という一点だけを見れば比率は下がっており、夜間まで含めて見ればほぼ横ばい。どちらも事実で、どちらか一方だけを取り上げると実態からずれてしまいます。

自分で書いた主張を、自分では一度も検証していなかったということにも、今回あらためて気づきました。検証していなかった主張は、正しいかどうかにかかわらず、思い込みのまま積み重なっていきやすいのだと思います。

検針票の項目そのものを1行ずつ確認したい方は検針票の時間帯別内訳を1行ずつ読んだ記事はこちら、2年分の電気代の推移が気になる方はオール電化・二人暮らしの電気代2年分はこちらをご覧ください。

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