共働きの夕飯づくりの負担は、料理を始める前から生まれています。
「今日は何を作るか」を決め、家にある食材を確認し、足りないものを用意する。食後には片付けもあります。レシピどおりに作る時間だけを短くしても、その前後に判断が多ければ、平日の負担はなかなか軽くなりません。
そこで大切になるのが、毎日の献立を完璧に決めることではなく、夫婦二人の生活に合わせて、決めることと決めないことを先に整理することです。
我が家で続けているのは、完成した料理をまとめて作り置きすることではありません。豚肉や野菜の下ごしらえだけを前倒しにして冷凍・保存しておき、平日はその組み合わせでメニューをアレンジする、というやり方です。疲れた日や帰宅が遅い日は、無理に手をかけず外食や惣菜に頼ることも、最初から選択肢に入れています。
この記事では、共働きの食事づくりで整理しておきたい一般的な考え方と、我が家で実際に続いているルールを分けて紹介します。食費の金額や買い方については、50代共働き夫婦の食費と買い方の実例にまとめています。
共働きの夕飯は「作る前」に負担が始まっている
夕飯の家事は、包丁を持ってから始まるわけではありません。
- 献立を考える
- 冷蔵庫や食品の在庫を見る
- 買い物をする
- 下ごしらえと調理をする
- 配膳する
- 食後に片付ける
一つひとつは小さく見えても、毎日続くと判断の回数が増えます。
リンナイが2024年に行った家事分担調査(全国の20〜50代でフルタイム勤務の既婚男女1,000人が対象)でも、「献立を考える」は男女で差が大きい家事として挙げられています。調理担当だけを見ていると、献立や在庫確認といった見えにくい負担を見落とすことがあります。
また、タニタの「おうち料理に関する意識・実態調査2026」では、週1回以上自宅で料理をする20〜69歳の男女1,000人のうち、料理で困っていること・ストレスに感じていることの1位が「献立がマンネリ化している(46.0%)」でした。困りごとは調理そのものだけでなく、「何を作るか」の部分にも表れています。
ただし、いずれも共働き50代夫婦だけを対象にした調査ではありません。ここで注目したいのは順位そのものではなく、食事づくりの負担には、調理の負担と献立を考える負担の両方があるという点です。
先に決めたいのは、献立より5つの運用ルール
検索すると、1週間分の献立や作り置きレシピがたくさん見つかります。参考になる一方で、そのまま自分の家庭へ当てはめても続くとは限りません。
先に整理したいのは、具体的なメニューより次の5つです。
| 決めること | 確認する内容 |
|---|---|
| 献立を決めるタイミング | 週末、数日前、当日のどこで決めるか |
| 固定する範囲 | 曜日、食材、主菜、調理法など、何を繰り返すか |
| 前倒しする工程 | 作り置き、下ごしらえ、冷凍などをどこまで行うか |
| 疲れた日の最低ライン | 予定が崩れた日に、何ができればよしとするか |
| 夫婦の役割 | 献立、在庫、買い物、調理、片付けを誰が担うか |
5つ全てを細かく決める必要はありません。「ここだけ決めておく」「ここは当日に決める」と分けることもルールの一つです。
大事なのは、世間の正解を探すことではなく、自分たちが毎週繰り返せる形を見つけることです。
我が家の平日夕食を回す流れ
我が家の平日の流れは、シンプルです。帰宅後に夕食の準備をして、夕食をとったら、洗える食器はすぐ食洗機に入れます。フライパンや鍋など食洗機に入らないものは手洗いし、就寝前に食洗機をまとめて稼働させています。
| 場面 | すること | 担当 | 決めていること |
|---|---|---|---|
| 帰宅後 | 夕食の準備をする | 私 | 下ごしらえ済みの豚肉や冷凍野菜を組み合わせてメニューを決める |
| 夕食後 | 洗える食器を食洗機に入れる | 私 | 使ったらすぐ入れる |
| 夕食後 | 鍋やフライパンなど食洗機に入らないものを手洗いする | 私 | その場で洗ってしまう |
| 就寝前 | 食洗機を稼働させる | 私 | 1日の最後にまとめて動かす |
夕食以外の洗濯や掃除も含めて、平日と週末の家事全体をどう分けているかは、通勤4時間の平日と週末で家事全体を回す方法にまとめています。本記事では、その中から食事づくりだけを切り出します。
共働きの献立は、どこまで先に決めるか
献立の決め方には、いくつかの型があります。
- 1週間分をまとめて決める
- 数日分だけ決める
- 主菜の種類や調理法だけ固定する
- その日の在庫や予定から決める
どれがよいかは、買い物の頻度、帰宅時間、食べたいものの変化などで変わります。先まで決めるほど迷いは減りやすくなりますが、予定が変わったときに窮屈になることもあります。当日に決める方法は柔軟ですが、疲れている日に判断が残ります。
つまり、「何日分を決めるか」だけでなく、何を先に決め、何を当日まで残すかを考える必要があります。
我が家は帰宅時間にばらつきがあるため、何日も先まで献立を固定していません。その代わり、下ごしらえを済ませた豚肉や冷凍野菜を見て、その組み合わせで当日のメニューを決めています。献立を決めるのは私で、どうしても遅くなる日は、無理に作らず惣菜を買って済ませています。まとめて下ごしらえするのは豚肉と一部の野菜なので、買い物で選ぶ食材も自然と決まってきます。
作り置きを前提にせず、前倒しする作業を選ぶ
共働きの夕飯というと、週末の作り置きがよく紹介されます。ただ、週末にまとめて何品も作る方法が、全ての家庭に合うわけではありません。
前倒しには、完成した料理を保存する以外にも幅があります。
- 食材を切るところまで済ませる
- 下味をつける
- 一部だけ多めに作って別の日に使う
- 冷凍できる状態にしておく
- 当日に迷わないよう、使う食材だけ決めておく
反対に、前倒しをほとんどせず、当日の調理を簡単にする考え方もあります。「作り置きをするか、しないか」ではなく、どの工程なら前へ動かせるかで考えると、選択肢が広がります。
我が家で続けているのは、完成した料理の作り置きではなく、食材の下ごしらえです。具体的には、豚肉を600〜800gほどまとめて塩茹でして冷凍し、野菜も一部は茹でて冷凍しています。葉物野菜は傷みやすいため調理するタイミングでその都度カットし、きのこ類は事前にカットして野菜室で保存しています。平日は、この下ごしらえ済みの食材の組み合わせを見ながらメニューをアレンジしています。
調理そのものの時短としては、電子レンジで使える蒸し器などの調理器具を活用しています。火にかけて見張る必要がないので、その間に別の作業へ回せるのが助かっています。また、魚を焼くときは、市販の焦げ付き防止加工のアルミホイルをフライパンに敷いて焼き、洗い物を減らしています。ただ、こうした時短が成立しているのも、豚肉や野菜の下ごしらえを前倒しにしているおかげが大きいと感じています。
週末は、平日よりも少し手の込んだもの、たとえば餃子のような料理を作ることが多くなります。あわせて、豚肉の塩茹でや野菜の冷凍保存など、平日のための下ごしらえも週末にまとめて済ませています。
作り置きや残り物を保存する場合は、時短だけでなく安全面の確認も必要です。厚生労働省の「家庭での食中毒予防」では、調理前後の食品を室温に長く放置しないこと、残った食品は浅い容器に小分けして保存すること、温め直すときは十分に加熱することなどが案内されています。保存できる日数は料理や状態で異なるため、本記事では一律の目安を示しません。
食洗機をはじめ、家事の工程を家電に任せるときの選び方や実費は、共働き50代が実際に使っている時短家電と選び方で詳しく書いています。
夫婦の分担は「調理担当」だけでは決まらない
「夕飯はどちらが作るか」だけを決めても、食事づくり全体の負担は見えません。
たとえば、調理を始める前には献立と在庫の確認があります。食べ終わった後には片付けがあります。買い物や調理を担当していなくても、別の工程を担っている場合もあります。
分担を考えるときは、次のように工程を分けて見ると整理しやすくなります。
- 献立を決める
- 在庫を確認する
- 必要なものを買う
- 下ごしらえと調理をする
- 配膳する
- 食後に片付ける
固定の担当を決める家庭もあれば、その日の帰宅時間や体調で変える家庭もあります。半分ずつにすることが唯一の正解ではありません。二人が納得して回せるかが基準です。
我が家では、献立を決めることから在庫の確認、買い物、調理、配膳、食後の片付けまで、食事づくりに関わる工程を私がまとめて担っています。分担というより、家事全体を自分の役割として引き受けている中に、食事づくりも含まれている形です。
疲れた日の逃げ道と、やめた工夫
平日の予定は、いつも同じとは限りません。仕事が長引く日もあれば、帰宅後に調理する気力が残っていない日もあります。
その日に使える時間と体力が少ないのに、通常どおりの夕食を作ろうとすると、食事づくりそのものが続きにくくなります。そこで、元気な日の段取りだけでなく、予定が崩れた日の最低ラインも決めておく考え方があります。
最低ラインは家庭ごとに違います。市販品や冷凍食品を使う、品数を減らす、作らない日を設けるなども選択肢ですが、どれを採用するかは生活条件と二人の考え方次第です。
我が家では、疲れた日や帰宅が遅くなった日は、無理に自炊をせず、外食にするか惣菜を買って済ませることにしています。
また、以前はよさそうに思えた方法でも、続けてみると生活に合わないことがあります。やめたことは失敗ではなく、自分たちに必要なルールを絞る材料になります。
以前は、週末にまとめて何品も作り置きのおかずを用意する方法を試していました。ただ、続けてみると、週末の時間がほぼ調理だけで終わってしまい、生活に合わないと感じるようになりました。そこでやめたのが、完成した料理をまとめて作る作り置きです。代わりに続いているのは、豚肉や野菜の下ごしらえだけを前倒しにするやり方でした。料理の形ではなく素材の状態で準備しておくほうが、我が家の週末には合っていたということだと思います。
食費の金額と、食事づくりの段取りは分けて考える
時短を考えると、「市販品を使うと高くなるのでは」「作り置きのほうが節約になるのでは」と、金額の話も気になります。
ただし、時短と節約の関係は、買うもの、使い切れる量、外食の頻度などで変わります。「この方法なら安い」と一律には言えません。
本記事は、夕食をどう回すかという段取りに絞っています。我が家の実際の食費、平均との比べ方、買い方については、先ほど紹介した50代共働き夫婦の食費と買い方の実例をご覧ください。
まとめ|夫婦二人に合うルールは、実際の平日から作る
共働きの夕飯づくりで先に整理したいのは、次の5つです。
- 献立をいつ決めるか
- 何を固定し、何を当日に決めるか
- どの工程を前倒しするか
- 疲れた日の最低ラインをどうするか
- 献立から片付けまでを誰が担うか
1週間分の献立や作り置きが合う家庭もあれば、数日分だけ決めるほうが続く家庭もあります。暮らしや勤務状況が変われば、ルールを見直しても構いません。
我が家で最も大事にしているのは、完成した料理を作り置きすることではなく、豚肉や野菜の下ごしらえだけを前倒しにして、その組み合わせで平日をアレンジすることです。そして、疲れた日や帰宅が遅い日は、無理に作らず外食や惣菜に頼ってよいと決めています。同じように共働きで夕飯を回している方にも、完璧な献立や作り置きを目指すよりも、自分たちに合う前倒しの形と、疲れた日の逃げ道を先に決めておくことをおすすめします。
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