太陽光は元が取れるのか|計算しようとしたら計算できなかった話

※ 本サイトで紹介している商品やサービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告が含まれている場合があります。

太陽光は元が取れるのか計算しようとしたが設置費用が分からず計算できなかったことを示すイメージ画像 資産形成

太陽光を設置して7年が過ぎ、8年目に入りました。そろそろ元が取れたのか計算してみようと思い、電卓を出しました。でも、5分でやめました。理由は2つあります。ひとつは、新築の建物価格に太陽光が込みで設置されていて、機器単体の費用がそもそも分からないこと。もうひとつは、自分の家が総量でどれだけ発電したのか、記録していなかったことです。この記事は、「元が取れた」という結論の代わりに、分かる範囲の実数だけを積み上げた記録です。毎月の売電収入は太陽光発電の売電収入を毎月公開している記事はこちらにまとめていますが、今回はその1年分をひとまとめにして、費用が分からないなりに見えてきたことを書きます。

直近12か月の売電実績|電気代の32%をカバーしていた

まず、算定期間をはっきりさせておきます。この記事で扱う「直近12か月」は、2025年8月〜2026年7月の検針月ベース(電力会社の検針票の表示に合わせたもので、実際の使用期間は「前月2日〜当月1日」)です。毎月の推移そのものは、太陽光発電の売電収入を毎月公開している記事はこちらで継続して公開していますが、あちらとは集計期間が1か月ズレています。同じ「過去12か月」でも期間が違えば合計額も変わりますので、混同しないよう先にお断りしておきます。

検針月 電気代 売電額 実質負担
2025年8月 10,106円 5,642円 4,464円
2025年9月 11,143円 4,628円 6,515円
2025年10月 9,639円 2,964円 6,675円
2025年11月 10,405円 2,080円 8,325円
2025年12月 11,551円 2,158円 9,393円
2026年1月 14,104円 1,794円 12,310円
2026年2月 13,427円 2,366円 11,061円
2026年3月 12,720円 2,314円 10,406円
2026年4月 12,943円 3,692円 9,251円
2026年5月 10,377円 4,706円 5,671円
2026年6月 9,028円 6,916円 2,112円
2026年7月 9,338円 3,822円 5,516円
合計 134,781円 43,082円 91,699円

月平均にすると、電気代11,232円・売電額3,590円・実質負担7,642円です。合計で見ると、売電額は電気代の32.0%をカバーしていました。ざっくり言えば、電気代の3分の1近くを太陽光がまかなっていた計算になります。

ただし、毎月一定ではありません。売電額だけを見ると、いちばん多かった2026年6月(6,916円)といちばん少なかった2026年1月(1,794円)では、約3.9倍の差があります。日照時間の長い初夏に稼いで、日照時間の短い冬は控えめ、という季節差がそのまま数字に出ています。

実質負担はいくらになっているか|月平均7,642円

電気代から売電額を差し引いた「実質負担」で見ると、直近12か月の合計は91,699円、月平均で7,642円でした。我が家は3.344kWの太陽光発電を載せたオール電化住宅で、電気代の内訳や2年分の推移はオール電化・二人暮らしの電気代2年分の実額はこちらにまとめています。

この実質負担も、表を見ていただくとおり毎月バラバラです。冬に近づくほど電気代が上がり、同時に売電額は下がるので、実質負担は冬にかけてふくらむ傾向がはっきり出ています。

もうひとつ、正直に添えておきたいことがあります。この12か月の電気代のうち、2025年8月〜10月の検針分は、政府の電気・ガス料金支援(2025年夏。電気は低圧で1kWhあたり2.0〜2.4円の値引き)の対象期間にあたります。この値引きは「値引き」という独立した行ではなく燃料費調整単価に含める形で反映されるため、検針票の上では見えにくく、我が家でも値引き分だけを切り分けることはできていません。なお、2026年夏の支援は7月使用分=2026年8月の請求分からの反映なので、この表の期間には入っていません。制度の中身と我が家での試算は、2026年夏の電気代補助を実績で試算した記事はこちらに書きました。「毎月これくらいの負担で固定」というより、季節と制度の両方で揺れ動く数字だと捉えていただくのが正確です。

なぜ元が取れるか計算できないのか|新築価格に「込み」だった

ここが、この記事でいちばん書きたかったことです。

太陽光発電の「元が取れるか」を計算するには、まず設置費用が分からないといけません。ところが我が家の太陽光は、新築物件のベースとなる建物価格に、最初から含まれていました。後から追加したオプションではなく、「この値段で建つ家」に標準で載っていた、という形です。

そのため私は、太陽光発電の機器がいくらだったのかを、個別に確認していません。当時は「この家はこの金額」という総額で判断していて、その内訳のどこに太陽光がいくら入っているのかを、気にもしていませんでした。補助金についても、受け取った記憶はありません。

つまり、太陽光の値段は「建物一式」の金額の中に溶け込んでしまっていて、そこから太陽光だけを取り出すことが、今となってはできないのです。分母が分からなければ、何年で回収できるかも計算できません。

これは、我が家だけの特殊な事情ではないかもしれません。新築と同時に太陽光を設置すると、後から単体で取り付けるより費用面で有利になりやすいと言われています(出典:マイナビニュース太陽光)。つまり、新築込みの太陽光は今後も増えていく可能性が高く、「込みだと単体価格が分からなくなる」という状況も、これから増えていくはずです。

実際、東京都では2025年4月から「建築物環境報告書制度」が始まり、中小規模の新築建物を供給する事業者に対して、太陽光発電設備の設置などが求められるようになりました(出典:東京都環境局)。この義務の対象は大手ハウスメーカー等の事業者であり、家を建てる個人に直接課される義務ではありません。それでも、事業者側の標準仕様として太陽光込みの新築が広がっていく流れは変わらないだろうと感じています。

私が探した限りでは、「新築込みで太陽光の費用が分からなくなる」という当事者目線の悩みを扱った記事は見つかりませんでした。だからこそ、正直に「分からない」と書くことに、多少なりとも意味があると思っています。

それでも1つだけ、計算できたことがある|買う電気31円・売る電気26円

設置費用が分からないので、回収年数は出せません。それでも、推測ゼロで比べられる数字がひとつだけありました。

直近12か月の買電量(検針票に載っている使用量の合計)は4,343kWh、電気代は合計134,781円でした。ここから、買う電気の実質単価は約31.0円/kWh(134,781÷4,343)と分かります。これは料金プランの従量単価そのものではなく、基本料金や再エネ賦課金なども含めた総額を使用量で割った、いわば「我が家がその1kWhに実際に払っている金額」です。また、先ほど書いたとおり、この12か月のうち3か月分は2025年夏の電気・ガス料金支援の対象期間にあたります。つまり約31.0円という数字は、その値引きが入ったあとの実額ベースだということも申し添えておきます。

いっぽう、売る電気の単価は26円/kWhです。これはFIT(固定価格買取制度)の固定単価で、2019年6月の受給開始から10年間、この金額のまま変わりません。

つまり、同じ1kWhでも、電力会社に「売る」より、自分で「使う」ほうが約5円ぶん価値が高いという関係になります。設置費用が分からなくても、この比較だけは、我が家の実数だけで成り立ちます。

この差は、これから先さらに広がる見込みです。我が家のFIT固定買取は、2019年6月の受給開始からおおむね10年、つまり2029年6月ごろまでです。それを過ぎると、いわゆる「卒FIT」となり、売電単価は下がります。手続きをしなければ自動的に移行する東京電力エナジーパートナーの「再エネ買取標準プラン」の買取単価は、1kWhあたり8.5円と公表されています(出典:新電力ネット「卒FITプランDB」・2026年5月5日時点の掲載値)。単価は改定されることがありますので、最新の金額は東京電力エナジーパートナーの公式サイトでご確認ください。

仮にこの水準のままだとすると、買う電気31.0円と売る電気8.5円の差は20円以上に広がります。「売るより使うほうが得」という関係が、さらにはっきりする計算です。

日中に発電している時間帯にできるだけ電気を使うようにする、といった工夫については、天気で日中・夜間を切り替える時短家電の運用はこちらにも書いています。「売るより使うほうが得」という今回の結論は、こうした時間帯の使い方を見直す動機にもなりそうです。

なお、卒FIT後にどの事業者と契約するか、パワーコンディショナをいつ・いくらで交換するかは、我が家では現状まだ何も決めていません。ここも、正直に書いておきます。

自家消費量は測れていない、という限界も正直に

太陽光の経済効果は、本来「売った電気(売電)」と「買わずに済んだ電気(自家消費)」の合計で考えるものだと言われています。ところが我が家は、買わずに済んだほうの量を測っていませんでした。

売電明細は毎月電力会社から届くので、売った量は分かります。でも、そもそも太陽光パネルが総量でどれだけ発電したのかを、記録していなかったのです。だから、「発電量−売電量=自家消費量」という足し算のもう半分が、我が家には出せません。「自家消費でいくら得したか」を数字で示すことは、今の我が家にはできないということです。

これから設置する方には、シンプルな対策があります。引き渡しの日に、モニターで積算発電量(これまでに合計何kWh発電したか)の見方を聞いておくことです。それだけで、この状態は避けられます。我が家はそこを聞かないまま、7年以上が過ぎてしまいました。

これから設置する人へ|「太陽光の値段」を切り出して確認しておくべきだった

我が家のように、費用が分からないまま太陽光を使い続けている方もいるかもしれません。これから設置する方に向けて、我が家が「知っておけばよかった」と感じていることを、再現できる形で書いておきます。「付けるべき・やめとけ」という助言はしません。あくまで、知っておけばよかったことの記録です。

  • 見積書で、太陽光発電システムを独立した1行の金額にしてもらう(建物一式に溶かさない)
  • 補助金の有無・金額を、受け取った時点で控えておく
  • FIT単価と受給開始日を、電力受給契約の書類で確認して保存しておく
  • 引き渡しの日に、モニターで積算発電量の見方を聞き、記録を始める
  • 売電明細を、毎月保存しておく

どれも、設置してすぐの数分でできることです。7年がたった今になって、あのとき聞いておけばよかったと感じています。

まとめ|元が取れたかは分からない。でも次に何をするかは決まった

設置費用が分からないので、「元が取れたか」の回収年数は、我が家では出せません。自家消費量も測っていないので、経済効果の半分も数字にできません。それでも、直近12か月では、売電額が電気代の32.0%をカバーし、実質負担は月平均7,642円でした。そして、買う電気は約31.0円/kWh・売る電気は26円/kWhという、費用が分からなくても言える結論もひとつ見つかりました。同じ1kWhなら、売るより自分で使うほうが得だという関係です。卒FIT後はこの差がさらに広がる見込みなので、次にやることは決まっています。発電している時間に、できるだけ電気を使うようにすることです。

投資としておすすめするものではなく、あくまで「我が家ではこうでした」という記録として、参考にしていただければと思います。太陽光の売電は、給与以外で今も実際に現金が入ってくる、我が家では唯一の収入の柱でもあります。ただし卒FITで金額が変わる、期限つきの柱です。この位置づけについては、50代の収入の柱を棚卸しした記事はこちらにも書きました。

このブログでは、こうした50代当事者の家計・光熱費の実録を書いています。運営者について詳しくは筆者(オール電化・太陽光あり・共働き50代)のプロフィールはこちらをご覧ください。

本記事は筆者個人の家庭における売電・電気代の実績記録であり、太陽光発電の設置を推奨または非推奨するものではありません。制度内容・単価は執筆時点の情報に基づいており、正確性・最新性を保証するものではありません。制度の詳細や最新の単価については、必ず資源エネルギー庁・各電力会社の公式情報をご確認ください。